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WWDC25の発表と「高度なトラッキングとフィンガープリント保護(ATFP)」に関する検証

WWDC25発表から読み解くWeb計測への影響

Appleが毎年6月に開催しているWorldwide Developers Conference(以降WWDC)。2025年は6月9日(月)~6月13日(金)の5日間の日程でした。

今回のハイライトは、新インターフェース「Liquid Glass」の紹介と、Apple Intelligenceの大規模アップデート。今後発表されるOSの名称がバージョン番号ではなく年号になることも、大きな変更といえるでしょう。

ほか、AIや通話・メッセージ機能など、プラットフォーム全体の強化・拡張といった内容が主でしたが、「高度なトラッキングとフィンガープリント保護」について、Web広告配信に影響があるのではないかという声がSNSを中心に挙がっています。

実際のところどうなのか、6月13日~20日にかけて、iOS26 BETAインストール済みの実機を用いて段階的に調査・検証しました。

目次

  1. WWDC25におけるApple社の公式アナウンス
  2. 「高度なトラッキングとフィンガープリント保護」とは
  3. iOS26 BETAでの検証結果
  4. Web広告への影響は
  5. まとめ

WWDC25におけるApple社の公式アナウンス

AppleがWWDC25で発表した内容のうち、Web広告業界を騒がせているのは以下の部分です。

「既知のトラッキングスクリプトによるフィンガープリンティングを防止するための機能を追加しました」という内容です。詳細はWebKitのブログで確認できました。

翻訳
プライバシー
「画面寸法、ハードウェア並行性、SpeechSynthesis APIを通じて利用可能な音声リスト、Apple Pay決済機能、Webオーディオ読み取り、2Dキャンバスなど」デバイス特性を明らかにするために、フィンガープリントを使用するスクリプトが対象。対象のスクリプトが、クッキー、ローカルストレージに書き込むことを禁止します。さらに、クエリパラメータやdocument.referrerなど、ナビゲーショントラッキングに使用される可能性のある状態を読み取ることを防止します。

上記アナウンスを受け、従来はシークレットブラウザのみだった「Advanced Tracking and Fingerprinting Protection(高度なトラッキングとフィンガープリント保護)」の適用範囲がデフォルトブラウザにも適用され、Web計測ができなくなるのではないかと一部で懸念されている状況です。

「高度なトラッキングとフィンガープリント保護」とは

Appleの「高度なトラッキングとフィンガープリント保護(Advanced Tracking and Fingerprinting Protection)」は、Safariブラウザに導入されているユーザーのプライバシー保護機能です。
近年、Firefox、chromeなど他ブラウザでもプライバシー保護の動きは強化されており、先行するAppleの動向は常に注視されてきました。

フィンガープリントは「指紋」という意味ですが、Web広告業界においては、ユーザーのデバイスが持つ特徴的な情報(ハードウェア、ソフトウェア、ネットワーク情報など)を組み合わせ個体識別する技術「デバイスフィンガープリント」を指します。Cookie規制への代替手段として使われてきました。

しかし、GDPRをはじめとした規制強化の流れを受け、2023年にAppleが「高度なトラッキングとフィンガープリント保護」の提供を開始。Googleタグマネージャー(GTM)を含む一部のScriptがブロックされたことから業界では大きなトピックになりましたが、プライベートブラウザを使うといったユーザーの能動的な行動がない限りは、計測において限定的な影響に留まっていました。

iOS26 BETA版での検証結果

アフィリコードでは、今回のアナウンスを受け、iOS26 BETAで検証を行いました。

iOS18.5(「高度なトラッキングとフィンガープリント保護」をプライベートブラウザに設定)
→iOS26 BETAにバージョンアップした場合
設定を引き継ぎ、プライベートブラウザのみに適用されていた
iOS18.5(「高度なトラッキングとフィンガープリント保護」をなしに設定)
→iOS26 BETAにバージョンアップした場合
設定を引き継ぎ、いずれのブラウザにも適用されていなかった
iOS26 BETAをプリインストールした場合(シミュレーターで検証)
デフォルトで、プライベートブラウザのみに適用されていた

以上の検証結果により、「高度なトラッキングとフィンガープリント保護」が、次期iOS26よりデフォルトブラウザで適用されるという説は、現時点では否定できると考えられます。

Web広告への影響は

「高度なトラッキングとフィンガープリント保護」のデフォルトブラウザへの適用が事実ではないとするなら、Apple社の公式アナウンスは一体何なのでしょうか。改めて原文を確認します。

直訳で「既知のトラッキングスクリプトによるフィンガープリンティングを防止するための機能を追加しました」。

フィンガープリント保護機能が強化されるというのは事実でしょう。しかし、「Advanced Tracking and Fingerprinting Protection(高度なトラッキングとフィンガープリント保護)」がデフォルトブラウザに適用されるという文言は見つけられませんでした。

強いて言えば、前述のWebKitの記述はブラウザのデフォルト設定化と解釈することもできますが、その場合でも、あくまでフィンガープリントに関する内容に限られています。

今後のアナウンスを注視する必要はありますが、少なくとも現時点において、「高度なトラッキングとフィンガープリント保護」のデフォルト化は事実ではないと推測されます。

まとめ

WWDC25での発表を受け、実機検証したところ、上記のような結果となりました。

フィンガープリント技術を使用している一部計測システムには影響が出る可能性がありますが、現時点では多くのアフィリエイト計測において影響があるとは言えません。今後の発表や開発の状況について、冷静に注視すべきではないでしょうか。

アフィリエイト広告配信システム「アフィリコード・システム」でも、iOS26 BETAで疎通テストを行いましたが、現時点で計測への影響は確認されませんでした
アフィリコード・システムはフィンガープリント技術を利用した計測を行っていないため、今回の公式アナウンスは「フィンガープリント保護機能の強化」に留まると推測されます。

アフィリコードは、プライバシー保護と広告の共存を目指しています。引き続き事態を注視するとともに、Web広告業界の皆様に正確な情報をお届けできるよう尽力してまいります。

※本検証は、2025年6月13日~20日にかけて段階的に行いました。今後のApple社の開発状況およびアナウンスにより、挙動が変わる可能性もあります

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